勝敗のある人生
就職して、結婚して、、、、
それなりに楽しい毎日だったけど、何かが足りないと感じていた。
ニイニイ(仮名 小5)もヒヨコちゃん(仮名 小1)も生まれていなかった頃、ウチではワンコ(コーギー)を飼っていて、休みの日は俺が散歩に連れて行っていた。
近所に広い森林公園があり、ワンコの散歩はいつもそこに行っていた。そこのグランドで、サッカー協会主催のシニアサッカー大会がよく行われていた。
サッカーが大好きな俺は、そういうおじさんたちの草サッカーが面白くて、よく見ていた。
俺は、サッカーは好きだけど、プレイしたことがない。子供の頃はずっと剣道をやっていて、サッカーの面白さに気がついたのは、Jリーグが出来てから。だから、見る側でしかない。
自分もどこかのチームに入れないかな?
そんな思いで、いくつかのチームに問い合わせたけど、どのチームも経験者しか募集してなかった。
歳をとってから新しいスポーツを始めるのは、ハードルが高い。
それがチームプレイならなおさらだ。
結局、10年近く俺は見る側だった。
それが、息子のサッカーチームの手伝いをするようになって、同じように手伝いをしていたMさんが、サッカーの魅力にどっぷりはまり、俺に、一緒にフットサル教室に通わないかと誘ってくれた。
週に一回、市営体育館で、プロのフットサル選手が教えてくれる教室でフットサルを習ううちに、試合にも出てみたくありませんか?という話になり、そこで知り合った、やはりサッカー未経験のオッサンたちでフットサルチームを作った。
まさか、自分が40代の後半になって、新たな友人が出来るとは思わなかった。
仕事も、年齢も、共通点もほとんどないオッサン達。
去年は家の事情で自分は出場できず、一勝も出来ずに敗退した。
今年こそは!と臨んだフットサル大会。俺は初出場だった。
素人の大会とはいえ、かなりの緊張感がある。
みんな、当たり前だけど、勝つために真剣だ。
大の男達が、真剣に闘う。アドレナリンがドバドバ出てくるのがわかる。
勝敗を決めるために、こんなに真剣に戦ったのは、中学で剣道の県大会に出て以来だ。
結果は、0-3 0-2 で予選敗退、、、
くやしかったけど、面白かった。
そのあと、夕方から、ホルモン焼き屋で打ち上げ。ここの店長は、このチームを指導してくれたプロのフットサル選手のお店だ。
実は、Fリーガー(フットサルのプロ)は、プロサッカー選手と違い、特定非営利活動法人が多く、選手は他の仕事で収入を得ていることがほとんどだ。つまり、ここのお店の店長もフットボールという熱病にかかった1人ということだ。
数年前まで、顔も、名前も知らなかった男たちが、集まって、今日の試合の反省と言いながら、アホな話しで盛り上がる。こんな、誰にも気を使わず、気のおけない仲間が出来るとは、ほんとに、夢にも思わなかった。
勝敗のある人生は面白い。負け続きだけど、得るものはきっとある。
また来年、この仲間と闘いたい。