カツラをカミングアウトした過去の話
ども。イチイチです。
本日は掛け値無しで、本当にあった僕の恥ずかしい過去をぶっちゃけます!
本当に恥ずかしい話です。こんな経験してる人は世の中にそんなにいないと思うので、身バレ覚悟ですが、身を切る思いで書きました、できればじっくり読んでください。
そして、もし同じように悩んでいる方がいれば、少しでもこの僕の経験が何かの役に立てばと思います。
※これは実際にカツラを使用したことがある、イチイチ個人の経験から感じたことを書いたものです。決してカツラの使用を否定するものではありませんので、ご理解くださいますようお願いします。
僕は、二十歳ぐらいから急激に薄毛が進行し、悩んでいた。
大学一年の時はまだフサフサしていたのだが、二年、三年のころに一気に抜け毛がすすみ、かなりの薄毛になってしまった。
当時、なぜか僕にひどい嫌がらせをする奴がいて、薄毛のことや、貧乏学生だったことをさんざんバカにされ、また、はっきりと差別するようなことを言われたりして、本来ならあまり気にしない性格だったのに、そいつのせいで僕はひどいコンプレックスをかかえるようになってしまった。
28歳で結婚し幸せな結婚生活を送っていたのだが、
進行する薄毛の悩みは増すばかり。なんせまだ20代だ。
嫁ちゃんは僕の薄毛を気にするような人間ではなかったが、
僕自身の薄毛に対するコンプレックスが強くて、このままでは30代のうちにはぼ頭髪がなくなってしまうのではないか、という不安。また、そんな自分の薄毛のせいで、嫁ちゃんまでどこかで恥をかいてしまうのではないかとも思うようになり、
ある日、嫁ちゃんの許可を得て、
高額なローンを組んで自然増毛という名のカツラを作った。
最初のころは若返ったように見える自分に大喜びだった。
さてここで、僕が被った
某有名メーカーのカツラ自然増毛の構造を説明しよう
めんどくさい人は読み飛ばしても大丈夫です。
まず頭の型を取ったメッシュ状のベースに、自分の髪質に近い人毛や、人口毛が植え込まれる。で、それを被せるのだが、固定するためにメッシュの前側には女性がよく使う髪留めのピンを設置し、かろうじて残っている前髪の自毛をパチンと挟んで固定する。両サイドや後ろも同じようにピンを設置する。
若しくは、両サイドの自毛を、ベースについてる小さな輪っかに通し、折り返した髪の毛を医療用の接着剤で皮膚に固定するかどちらかが選択できる。
全てピンを選択した場合は脱着自由。ずれても直せる。しかし、ハードな運動は禁物だ。
接着剤での固定はハードな運動に耐えられるが、ずっと被りっぱなし。前のピンを外して隙間に手を突っ込んでシャンプーすることになる。
どちらの場合も、必ず3週間に一度は専用のヘアサロン(そのメーカの直営)に行き、取り外し、洗髪、カット、カツラのメンテナンスが必要になる。
僕は、海が好きだったので、接着剤での固定を選んだのだった。。。
しかし、3年経ち、5年経つと、、、
徐々に違和感を感じ始めるようになった。
実は店の勧めでその時点で「短め」、「ちょっと伸びた感じ」、「だいぶ伸びた感じ」の三つのカツラを所有しており、ローテーションで使用していた。
高額なため(正確ではないが、3個で120万ぐらい)、ローンを何回か組みなおして支払いを続けていたのだが、しかし、
鏡で見ると、明らかにカツラを被ってるのがわかるようになったきたのだ。
作り物の髪質と、サイドの自分の髪質が、年齢とともに合わなくなっている。
そう、自分の毛はすこしずつ老化していくが、作り物の毛は決して老化はしないのだ。
それに気が付いてから僕は、周りの目が気になるようになった。
電車に乗っても、会社に行っても、きっとみんな、
「あ!あの人。。。」
と思ってるにちがいないと。。。
そして、実際に通勤途中や町の中で、明らかにかつらと判る不自然な髪の人を見つけると、きっと俺もあんな感じなんだ。。。
と思うようになった。
そして、こんなことも考えるようになった。
もし、交通事故や、病気で倒れたりしたら、どうなるんだろう?
頭部を強打したり、脳梗塞とかで倒れたり、、
救急隊員の人が、
応急処置とかしながら、あ、この人カツラだ、、、ぷぷ(笑)って思うだろうな。
それか、治療のために無理やり外されて、目が覚めた時にベッドの横に私物として置かれてたり、、、、
いや、それどころか、カツラ外すのに手間取って、処置が遅れて命とり!
なんてことも考えられる。
いまから13年ぐらい前だろうか、ちょうどそのころ、若い男子の間で、おしゃれ坊主頭が流行りだし、僕は悩みに悩んだ末、カツラを外しカミングアウトすることにした。おしゃれ坊主に便乗して、薄毛隠し坊主にすることを決意したのだ。
生活費の中から、高額なカツラ代を捻出してくれていた嫁ちゃんに相談したら、
嫁ちゃんは「イチイチ君らしい方がアタシは好きだよ!」と言ってくれた。
前日に、会社の同期や後輩女子に、
俺、明日から坊主にしてくるわ!と宣言した。
運よく、完全に無毛とまでなっていなかったため、両サイドを1ミリ、頭頂部を3ミリ、ほぼスキンヘッド状態であったが、個人的にはなんとか体裁が保てたように思えた。
それでも、カミングアウトするのはドキドキものだった。
人生においてこれほど恥ずかしく、これほどドキドキしたことはない。
しかも、みんな言わずとも、僕がカツラだったことはもう知っていて、いろいろと気遣っていたにちがいない。
なんて恥ずかしいんだ。
出社すると、後輩女子が、かっこいいじゃないですか!とすぐに声をかけてくれた。
気を遣ってのことだとは思うが、凄くうれしかった。
当時の上司も冗談で、何やらかした?浮気か?
なんて言っていじってくれた。
恐らく、カツラを被っていたことで、逆にみんな気を遣っていたのだろう。
僕のおしゃれ坊主便乗薄毛隠し坊主大作戦は功を奏し、当時、同じビルで働いていた仲の良かったF君の話によると、社内や取引業者の女性社員にもなかなかの評判だったらしい。
カミングアウトしてすぐのころは、飲み会の席などでは、積極的にカツラ自爆ネタを披露し、笑いをとったりしていたのだが、数か月も過ぎると、みんな、イチイチさん前の髪型どんなだったかもう思い出せないよ!言ってくれて、僕は、本当に素の自分に戻ってよかったなと思うようになった。
もし、あの時、僕がカミングアウトを決断せずに、あのまま二十年近くカツラを買い続け、被り続けていたら、今頃どうなっていただろう?
おそらく、新しく入った後輩や部下、他の課の若い子たちは、イチイチ課長ってカツラだよね?ヒソヒソ。。。なんてことになっていたに違いない。
そして僕は、薄毛のコンプレックス、カツラという二重のコンプレックスをかかえ、さらにそのカツラを、もう二度と人前でとることができないということに悩み、そしてカツラを作り直すたびにかかる、高額な出費に苦悩していたことだろう。
そして、何よりも、子どもが生まれる前にこの決断をしたのは、よかったと思う。
父親が、カツラを被ってたら、きっと学校で、お前の父ちゃんカツラだろ?ってバカにされてたに違いない。
それに、自分の子どもに、素の姿を見せられない親なんて、、、、
今となっては、笑い話で済ませることもできるけど、当時はホントに辛く、恥ずかしかった。
自分自身の実体験なので、面白おかしく書くことも考えたのですが、実際に薄毛で悩んでる人や、病気でウイッグなどを使用しなければいけない方もいらっしゃると思い、まじめに書いてみました。
外見のコンプレックスを解消するために、カツラを使用したことによって、自信を取り戻す方もいらっしゃると思いますし、それはご本人にとっても良いことだと思います。
ただ僕は、個人的な感想として、カツラを被ったおかげで貴重な経験と、素のままの自分がいかに大事かを知ることができたと思っています。
あの時、カミングアウトを決断してくれた過去の僕よ!ありがとう!
と、いいながら、現在は薬で薄毛治療中。。。。
けっこう今回勇気出しました!
ではまた!
うんわぐっく!